弘法大師御誕生所

お大師さまは、ここ善通寺の地に御誕生されました。

「お大師さま」としても親しまれる弘法大師空海は、宝亀5年(774年)6月15日、御父・佐伯善通(さえきよしみち、俗名:田公 たぎみ)と御母・玉寄御前(たまよりごぜん)の子として、四国・香川県の西部、善通寺の地に御誕生になりました。幼名を「真魚(まお)」と名付けられ、ご両親の寵愛を受けてお育ちになりました。幼い真魚さまは非常に聡明で信仰心の篤いお子様だっだと伝えられています。

大師が御誕生した様子
大師が御誕生した様子

そして真魚さまは、この地の豊かな自然のなかで多感な時期をお過ごしになられました。一方で、近年の発掘調査により善通寺境内に創建時をさかのぼる前身寺院(佐伯家の氏寺か?)の存在が確認されています。おそらく真魚さまは、その寺で仏像や仏典・僧侶に親しまれたのでしょう。延暦10年(791)18歳で都の大学に入学するものの、仏法に目覚め山林修行に身を投じた真魚さまには、この地で蒔かれたほとけの種子が宿っていたのです。
日本の歴史上、朝廷から大師号(諡号)を賜った高僧は25人います。真言宗の宗祖空海も延喜21年(921年)に「弘法大師」の諡号を賜りました。
大師の諡号を持つ高僧達の中、「大師は弘法にとられ…」とも言われ、大師といえば弘法大師を指すほど、弘法大師は広く人々の信仰をあつめ、敬慕の念と親しみを込めて「お大師さん」「お大師さま」と尊称されています。

稚児大師立像
稚児大師立像

善通寺には、幼少期のお大師さまを今に伝える史跡が幾つもあります。

現在、善通寺の西院(誕生院)が建つ地は、当時は佐伯家の邸宅がありました。その西院御影堂の奥殿が建つ場所は、母君のお部屋があった場所と伝わっており、お大師さま御誕生の聖地として大切にされています。

現在の善通寺近隣には、真魚さまが泥土で仏像と小さな御堂を作って遊ばれた「仙遊ヶ原」(仙遊寺)や仏法により人々を救済するお誓いを立てて切り立った崖から身を投げられた「捨身ヶ嶽禅定」(出釈迦寺)、幼少の頃の学問所「獅子の岩窟」(弥谷寺)など、幼少期のお大師さまを今に伝える史跡が幾つもあります。

産湯井
産湯井